外構の床仕上げでは、石英岩の乱貼仕上げをよく使います。
これは外廻りの床にタイルを貼るよりも、石貼りの床とした方が深い味わいが出ると考えていることによります。
コスト的には、安いタイルにはかなわないものの輸入タイルや高級タイル、大判タイルを貼るのに比べると、さほどの差がないのも石の乱貼りを使う理由のひとつでもあります。
また、石種として石英岩とするのは、吸水率が低いので汚れやカビが出にくいこと、すべりにくいこと、そして石の独特な光沢や表情によります。
これまでは南米産の石英岩を使うことが多かったのですが、今回建て主の方が気に入られたものは中国産です。
今回の工事で驚いたのは、職人さんの手際の良さと施工のうまさ。
これまで、さまざまな現場で石の乱貼りを見てきましたが、今回の石屋さんほど几帳面で、かつ施工のスピードが速い所は初めてお目にかかりました。
その違いをいくつか挙げると、まず道具の違い。
これまで、石を現場で加工するのには電動のカッターで裏に溝を入れて割る人が多かったのですが、この職人さんたちはカッターは全く使いません。
石の裏に線路のレールを切ったものや、石屋さん特有のトンカチをあてがい、その上から別のトンカチで叩くだけで、自分の思った形に加工していきます。
次の大きな違いは石の並べ方。
通常は、1枚ごとに異なる石の形を見て、あらかじめ石の組み合わせを検討し、ある程度の範囲をレイアウトした上で砂据え(圧着)していきます。
しかしこの職人さんたちは、事前にレイアウトすることなく、石を少し加工しながら1枚ずつ据えていきます。
そのようなやり方でも、極端に目地巾が広くなったり狭くなったりすることはなく、また極端に小さな半端を入れることもありません
石工事にあっては、立ち会いやチェックの時間が非常にかかるので、今日はそのつもりでジーパン姿で現場に行ったのですが、目地が均一すぎるからもう少しラフでいいと注文をする程です。
技量とセンスのある職人さんはまだまだいるものです。
今日、施工が始まったばかりではありますが、見ていて嬉しくなる施工。
ありがたいものです。
感謝。
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