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2008年7月26日 (土)

手抜工事訴訟-第3者の視点

ここ数年、建築に関わる訴訟にあたって、第3者の視点からのレポート作成の依頼のお話があります。
立ち退きに関するもの、手抜き工事に関わるもの等。
住宅ではありませんが、いづれも弱者側からの相談です。

手抜き工事に関しては、完成したものを評価するのはその下地が隠れてしまっていることや、このような工事をしている施工者は材料に関する資料を始め、工事の写真すら撮っていない等、その調査は難しいものがあります。

最近お手伝いしたケースでは、調べていくにつれ、紛争箇所の問題点だけでなく、何故手抜き工事がなされたかも見えてきました。

原因は
・設計の能力が低い施工者に、設計を含めて発注してしまった。
・施工者が利益を出す為、本来の職種ではない職人に仕事をさせた。
 (例えば、石を貼るのを石屋さんではなく土工さんあたりに依頼した等)
・発注者と施工者とのコミュニケーション不足
 (監理者不在により、様々なことについてお互い合意を図っていなかった)
・施工者が確認や報告の為の書類を全く作成していなかった。
・施工者の技術レベルが低かった。
といった様々な要因が重なったものでした。

近年、部分的ではありますが高度な知識を持つ建て主さんも増え、また、インターネット等を通じて、素人でも多岐にわたる知識が得られる時代ではあります。
しかし、建て主の目を盗んで、分からないように手を抜くことは、施工のプロにしてみれば簡単なことも多々あります(これをプロと呼んではならないのですが)。

姉歯事件は、構造という建物として最も基本的かつ重要な性能を左右する事に対する背信行為でした(しかもその責任は設計者)。嘆かわしい話ではありますが、ここまでひどくなくても、これに類することは多分さまざまな所で行われているようにも思います。

意図的であろうとなかろうと欠陥は欠陥

幸い上記の件については和解が成立したとの報告を受けました。

当初は友人や知り合いの弁護士さんからの依頼によるもので、おことわりできずにお受けしたものでした。
設計者としては、施工者や同業者を相手に批判をすることは、決して面白い仕事ではありませんが、社会を見る意味で、正しいことを見極めるという意味で、また専門知識を深めるといった意味では勉強になる経験でした。

ますます景気の悪化が懸念される昨今、このような時だからこそ襟を正す業者もいれば、逆に如何に手を抜くかを考える業者もいると思います。
このような訴訟になるような行為自体が起こらないことを願わずにいられません。

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