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2008年7月17日 (木)

木造住宅の地震対策(耐震+制震)

先日、木造住宅用の「耐震+制震」システムについての紹介を受けました。

早稲田大学創造理工学部建築学科の研究室(曽田研究室)と民間企業との産学連携による共同研究開発がされたものです。
印象深いものでしたのでご紹介します。

これまで在来工法の住宅は、筋交いや構造用合板等で地震に耐えるように架構を固めることで耐震性を高めるのが一般的でした。
私が設計を手がける住宅でもこの工法で、現行基準に対してより安全率を高めることで建物の耐震性能を確保しています。

更に耐震性を高める工法としては「免震工法」「制震工法」がありますが、いずれも大がかりなもので、施工面やコスト、施工できる施工会社の制約といったことから、なかなか一般住宅への普及は困難なものでした。

これに対して今回開発されたシステムは、上記のような種々の制約が充分考慮され、これらが大巾に解決されたものと思われるものです。
このシステムは在来工法では壁耐力が「ゼロ」とみなされていた木造住宅の開口部に着目し、開口部に構造補強材を設置し、さらに制震用オイルダンパーを取り付けることで、建物の強度を高め(耐震性能)、揺れを減衰させる(制震性能)というものです。

つまり、これまでの耐震性能に加えて制震性能を付加させるという考え方のものです。

なお前述の制震用オイルダンパーは、地震動エネルギーを受け止め熱エネルギーに変換して吸収することで地震の揺れを軽減するというものです。

またこのダンパーの取り付けは、ビスで構造材に留めるだけですむため、1人でも半日程度で作業が完了。またメンテナンスも不要との事。
ダンパーは自動車等の分野において既に十分な使用実績があるそうで、機能、品質面では信頼性が高いと思われるものです。

家の東西南北にバランスよく適切に配置すれば、震度6強の揺れが半分程度に抑えられるとのことで、早大で行った実験のデータに基づく検討では、阪神・淡路大震災レベルの揺れでも十分な安全性が確認されているようです。

床面積100平方メートルの一戸建てで40~70本のダンパーを設置して、その総額は30万~50万円程度との事。その他施工会社の経費等を加えたにしても1~2万円/坪程度のコストで施工が可能なものです。

工事に関わる手間がかからないことが主な要因かと思われますが、耐震補強工事費としては従来のものに比べ、非常に安いものといえます。

私は「新しいもの」には懐疑的な視点が必要と考えながら日々の設計に携わっていますが、今後の新築やリフォーム工事において、採用の検討をしてみようと考えているものです。

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