玄関扉がようやく吊り込まれました。
私の事務所では、玄関の扉はほとんどの場合「木製」としています。
これは、
家に入る前に最初に手に触れる場所、最も目に近い場所は暖かみのある素材としたい
と思っていることによります。
とはいっても、私が手がける住宅のほとんどは防火地域や準防火地域内。
玄関扉は、隣地境界から3m、かつ道路の中心線から3m以上離れていなければ、通常は木製の玄関扉を採用するのは認定品でない限りは難しくなります。
建築基準法でいう「延焼のおそれのある部分」の開口部となる為です。
今回の住宅では、道路中心線から玄関扉までの距離は離れているのですが、隣地境界からは3mがとれませんでした。
そこで隣地側の玄関脇に袖壁を設け、これを防火壁として確認を受けたものです。
(つまり万一隣家が火災となっても、この壁により玄関は延焼を免れるようにしたものです)
ところで、今回の住宅では
少しクラッシックなテイスト(ヨーロピアンテイスト)で、
ということが建て主さんからのご要望でした。
また、打ち合わせの中で、
「ドアの取手は黒い鋳物」
「ドアには鋲を打ちたい」
といったお話がありました。
そこで提案したのが、まずは「掘商店」の取手や錠前。
私の定番といっていいメーカーですが、デザインがご要望に合うだけでなく、とにかく機能面、耐久性といった点で優れているメーカーさんです。
(少なくとも日本ではNo.1だと思います)
そして本題の玄関扉。
通常は、板の種類や木目、塗装の種類、色等にこだわるのですが、今回は表面の仕上げ方(テクスチャー)をメインに提案をしました。
というのは、せっかく無垢の板を使用するのであれば、今回ご要望を受けている「テイスト」の観点からいっても、
重厚感と人の手の跡が残るもの
としようと考えたことによるものです。
そこで、ようやく吊り込まれたのが写真の玄関扉です。
材質はタモ。
(野球のバットやテーブル等に使う硬い木です)
まだ塗装前の白木の状態ですが、表面を削った風合いがご覧頂けるかと思います。
ところで、上記の「風合い」という言葉。
前回の「ヘリンボーン」と同様、主には布地に対して使用される言葉のようですね。
専門用語という訳ではないでしょうが。
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