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最近お話を受けることが増えてきたセカンドオピニオン(プラン提案コース)とそれを通じてのお話です。
この週末、メールで依頼を頂いていた方にプラン(配置&平面計画)の提案をしました。
建築条件付の土地を購入して、施工会社側とプランの打ち合わせを進めているものの、納得ができる家にならないということからアイデアを出してほしいというお話を受けたものです。
(ところで「建築条件付」というシステム。不可解なものですよね)
計画地は世田谷区内の閑静な住宅地。
いわゆる変形敷地です。
建て主さんがこれまで話を進めてきた計画の図面作成は埼玉にある設計事務所で行われているようですが、多分の住宅会社からの外注先でしょう。
建て主さんと住宅会社の間で設計の委託契約がどのようになっているかはお聞きしませんでしたが、おそらく設計は無料といった話のものかと思われます。
(世の中「タダほど高いものはない」ものですが...)
家に対するご要望事項や敷地条件、これまで進めてきた案に対するご見解等の資料を郵送頂き、約1週間後にこちらで作成した案を直接お会いして説明をさせて頂きました。
今回私の方で作成した案は4案。
いずれも手描きの図面で、1日に1案づつ作成したものです。
第1案は、これまで建て主さんと施工会社側の設計者とで検討をしてきた案の問題点を抽出してそれを改善すべく進めた案。
第2案と3案は、上記の内容に私なりに住みやすさを考慮しながらプランを展開させた案。
第4案は、これまで建て主さん側で進めてきた案とは異なる視点から、ご要望内容を満足させるべく白紙に近い状態から検討した案。つまり
「設計依頼を自分が受けた場合に、まず打ち合わせのたたき台として提示するとどのような案とするか」
という観点から作成した案です。
第4案というのは、
・全ての居室の採光と風通しを良くする
・水廻りは北側にまとめて配置する
・上下階の外壁位置を合わせたシンプルな構造、形態とする
といった、プランづくりの基本形に則した案づくりを心がけたものでした。
結果としては、「上記第4案にて計画を進めます」ということで建て主さんが方向性を決定しました。
昨日は、その案を一部修正したものを施工会社に提示したいとの事からプランの加筆修正依頼を頂いた作業を行い、こちらでの作業を終了させて頂きました。
ところで、
このセカンドオピニオンサービスという活動を通じて、いわゆる住宅建築家と言われる人達とは異なる、住宅会社と呼ばれる所で作成するプランを目にする機会が増えました。
正直な所、これまで幾度となく見てきたプランで感心させられる案というものにはお目にかかったことがありません。
むしろ一見して稚拙と思われるものがほとんどで、学生さんの設計課題評価でいうB~Cの中間程度(Cが最低及第点)といった感じのレベルと言えます。
そのようなことからは、こちらの案が比較として容易にそれらより良い案を提示できる訳ですが、一方でこれは何とも寂しい事でもあります。
同じ住宅設計者である人達のレベルがあまりに低い
これでは、この社会の住環境は良くならないのは当然です。
住まいの設計は、他の分野における設計とは異なり、素人の方でも間取りを考えたり描いたりすることが可能なものです。
それだけに、プロの設計者は別の次元でものを考える力量が必要なはずなのですが...
住宅会社に設計のプロフェッショナルな内容を求めるのは難しい話なのかもしれませんが、結果としては
社会に住まいという建築を提供する立場
プロとしてのレベルアップの必要性を痛感するものです。
一方、
いわゆる設計のプロ(住宅設計者)にプランだけでも見てもらおう
という傾向が現れてきたこと、
設計事務所の敷居が下がってきた事
というは、いい傾向だとも言えるものですね。
そのうち、私がお話を受けているセカンドオピニオン(プラン提案)に関する実例をHP等でご紹介したいと考えています。
その際は是非ご覧になってみてください。
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現在工事が進行中の住宅が、昨日上棟しました。
朝一番から開始して、順調に進んだ為、昼過ぎにはほぼその姿を現したものです。
4月にはいって天候の変化が激しい中、昨日はまさに棟上げには最高の天気。
夕方からの上棟式もすがすがしい青空のもとで行われました。
今回の住宅の施工会社は、私としては初めてお付き合いする所ですが、最近、他の設計者の間でも評価が高まっている工務店さんです。
工務店ごとにさまざまな特徴があるものですが、これまでの基礎工事、仮設、その他においては、下請け業者さんの質を含めて非常にしっかりとした施工をしてくれています。
(これまでのところ)
特に今回の住宅では、擁壁の施工や地盤の一部に置換工法を行う部分があったり、また大きな断面の基礎梁があったり等、手間のかかる所がそこそこあったのですが、とにかく動きのよい職人さん達のおかげで、工期の遅れもなく、また各段階での検査においても特に大きな是正項目もなく工事が進みました。
ところで木造住宅の場合、上棟を節目として現場の職種が変わります。
これまでは基礎や外構の業者さんが中心となって進んでいた現場が、棟上げを境に大工さんが中心となります。
(まさに現場の「節目」ですね)
昨日の上棟式には建て主さんのご家族や施工会社をはじめ、これらの職人さん達が皆集まって非常に和やかに進みました。
(事務所から近い現場ということもあって、私も少しお酒を頂いてきました)
最後は鳶の方の木遣り唄と一本締めで終了。
基礎工事の段階ではすぐに施工した部分が隠れていってしまいます。
そのようなことからは、設計監理者は頻繁に現場を見る必要があるのですが、木工事の初期段階では隠れるものがほとんどありません。
そのような点では設計者としては、現場チェックに関してはちょっと一息、という段階です。
とはいっても、仕上や設備工事の事前打ち合わせはこれからが本番。
これからの工事が楽しみなところです。
上の写真は、上棟後に屋根上部のトップライト部の開口廻りを下から見上げたものです。
(上棟後の梁の上を歩き回るなんてことは私にはでませんので...)
今回の住宅は私が「天空光の家」と呼んでいる手法を用いた住宅です。
この住宅では必ずしも家の中心に光を落とすというものではありませんが、周囲に住宅が建ち並ぶ敷地における明るい家づくりの為の方法です。
いずれこの家もこのブログやHPでご紹介をさせて頂くつもりです。
ここ最近、ブログの書き込みをサボりぎみでした。
書きたいことは溜まっているのですが...
今回の「節目」を境にもう少し書こう!
(...とは思っています)
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先程現場に行った際、現場の近くを走る西武線沿線の桜を見てきました。
新緑の緑も大好きな景色のひとつですが、
桜もいいですね。
(日本人ですね)
今週末は私の事務所からもほど近い井の頭公園も大賑わいでしょう。
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この2ヶ月程は、とにかく現場でのさまざまな検査が多い月でした。
竣工直前の物件の設計検査、検査機関による完成検査、完成検査(施主検査)。
着工したばかりの現場での根切(土)工事検査、地業検査、配筋検査、型枠検査等。
連日のようにどこかの現場に足を運んでいました。
現場での検査のほとんどは建て主さんの立ち会いがないのは普通のことですが、完成検査(施主検査)については、施工会社だけでなく設計者も検査を受ける側となります。
ここで、竣工にあたっての施主検査に関しては、一般の方々には意外に知られていないのではないかと思い、完成検査の前段階の事を含めてここで少し記させて頂いておくことにします。
というのは今回、施主検査をして頂くにあたり、建て主の方が
「インターネットで、施主による完成検査は何をすればよいのかを少し調べてきました」との事。(事前の説明不足ですね)
設計者や施工者等にとっては物件ごとに行う検査であっても、建築に関して素人である建て主さん(たまにプロの方もおられますが...)にとっては、初めてのこと。
竣工検査というものがどのようなものか
何を検査してよいのか
ということは、確かに未知のことや不安なことがあるかと思います。
なお、ここで記させて頂く完成検査というのは、
この検査段階に至るまで、常に施工者とは別に
設計監理者が工事状況を確認していたケース
が前提での内容ですので、それ以外の場合については必ずしも該当しないものです。
□施工会社の自主検査と設計検査について
施工会社による自主検査(社内検査)と設計監理者による設計検査は順序としては、必ず施主検査の前に行うものです。
(行政や検査機関などによる検査も同様です)
また、設計検査は、施工会社の自主検査(社内検査)後に行うのが基本です。
設計監理者は、施工会社が行った自主検査報告書(或いはチェックシート)を見て、その施工会社が何をチェックしたか、いつどの部分を是正したか、是正が完了していない項目や残工事があるか、またそれらはいつ完了するか等の確認を行います。
工程に余裕のない現場や工事が遅れている現場、施工会社によっては社内検査がなかなかしっかりとは行われないこともあるようですが、これは施工会社や現場担当者の基本的な姿勢やレベルが現れるものともいえ、設計者が施工会社の選定等の際、評価を行うポイントのひとつになるものといえるものです。
一般の施設の工事であれば、自主検査報告書の提示がなければ、設計検査は行わないという姿勢は大事ですが、住宅にあってはなかなかその習慣がまだ根付いていないようにも思われます。
また、頻繁に監理に行っていると現場担当者も常にチェックを行い、監理者も日頃見ているということで、あらためて自主検査を行わなくても...という意識が生まれていることも要因かと思われます。
少し話が逸れましたが、住宅において設計検査で行う内容は主に以下のようなことです。
・設計図書や現場変更指示内容通りの仕様、仕上がりとなっているか
・仕上状況チェック(汚れ、ムラ、傷など)
・建具や建具金物類の仕様、作動確認
・設備機器の仕様、作動確認
設計事務所によってやり方は異なるでしょうが、私はこれらについてチェックした内容を、あらかじめ検査用として用意した平面図に記入してながら見ていくようにしています。
(しっかりとした施工会社は、現場担当者が図面に記載をしながら立ち会います)
検査後、施工会社にコピーを渡す等をして、お互いに内容の最終確認を行います。
後日、手直し工事(「ダメ工事」とも言います)完了後、ここに記載してある項目の是正確認をしながら、マーカーで塗りつぶしていきます。
全ての項目が塗りつぶされたら指摘事項の是正が完了ということになるものです。
□施主検査について
施主検査で見ていただく内容としては、基本的には仕上や設備に関することに限定されます。
というのは、壁のボードを貼る前までの「構造」や「下地」、「設備配管」等の施工状況については、断熱材の施工が完了した時点、その他の機会で確認やご説明を終えていることによります。
例えば、コンセントの位置やスイッチの位置など
ボード貼りの後では移設や追加は困難になってきますので、私は必ずこの段階で建て主さんに、主に使う立場からの視点での確認を頂きます。
この段階であれば、位置の変更だけでなく、追加等にも容易に対応が可能なことによります。
検査に先立って、設計監理者は上記(前項)の検査結果一覧表と是正状況を建て主さんに説明をします。
施工者、設計者それぞれに何の確認を行い、残っている是正内容は何があって、いつまでにそれが完了する予定かということです。
また、手直しが残っている内容については、実際の場所にテープを貼っておきます。
これにより、建て主さんが重複してチェックする手間を省き、新たにチェックする場所を限定することができるようになります。
検査の内容としては、外回りと室内の全般にわたって
・これまで打ち合わせしてきた仕上や設備類が全て工事に反映されているか
・施工者や設計監理者が見落としている施工の不備やキズ、汚れ等がないか
・これから引き渡しを受けて生活を始めるにあたって不都合なことはないか
といった観点から見て回ることになります。
例えば、前回完成検査をして頂いた住宅では、
「設計段階では確認していたつもりでしたが、造付け食器棚の棚板をもう1枚増やしてほしい」といった指摘を受けました。
もちろん引越後でも対応可能な内容ではありますが、住み始める前に対応が済んでいた方が関係者全てに都合が良いことは言うまでもありません。
照明のスイッチが1箇所にいくつも並んでいる場合、照明の位置とスイッチの上段下段、左右の位置が、覚えやすい位置となっているか、といったこともチェックするポイントのひとつです。
また、当然設計監理者も確認をしているはずですが、床下の清掃や乾燥状況、天井裏等も確認しておくことも必要です。
検査の最後は3者が集まって検査結果の確認と共に、是正方法やスケジュール等を確認して検査終了となります。
なお、完成検査の時点で全てをチェックするのは特に素人である建て主の方には難しいこともありますので、
できれば、完成検査前に何度か現場に顔を出して気になる所などをあらかじめ確認しておくのは有効な方法です。
先に気がついたところを監理者等に伝えておくことで、完成検査時にはほとんど指摘事項がなくなっているということもあります。
検査がスムーズに進むこと
最後の指摘事項が少ないこと
これらは、建て主さんにとっても施工会社にとっても、
気持ちよく引き渡しを受ける
気持ちよく仕事を終える
といった面で大切なことだと思います。
完成検査や引き渡し後も、お互いの関係は続くものですので、これらの話が少しでもご参考になれば幸いです。
少し長くなりましたが、住宅の完成検査に関するお話でした。
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