木造住宅における素材のグレードアップ仕様のお話。
第7回目です。
今回は床材と床暖房設備について
(今回は木造に限定しないお話です)
まずは、床材について
私が手がける住宅の多くでは、フローリングは無垢材を使用しています。
建て主さんの好みにより
チーク、たも、なら、栗、杉、カリン、ブラックチェリー等
材種はさまざまです。
複合板でも表面材の厚さが厚いものであれば、かなり無垢に近い耐久性が期待できますが、やはり無垢材はいいですよね。
表面仕上げはクリア塗装品の場合もありますし、オイル仕上げの場合もあります。
これは建て主さんに質感、メンテナンス面、床暖房との関係性などを説明の上でご判断を頂いているものです。
ここで、フローリング材と床暖房の関係性についてですが、床暖房はその熱により床材に温度変化と湿度変化を与えるものです。
そこで、床材に反りや隙間、ひび割れが生じないように配慮する必要が生じます。
一般的には、床暖房に対しては無垢よりも合板、オイル仕上よりも塗膜のある仕上とした方が、床材の変形は少ないものです。
とはいっても、無垢材でかつオイル仕上の床でも床暖房を採用したいというケースは多いものです。
これらのことから、私が採用している床暖房は通常以下の2種類のものです。
(ガス温水式の場合のお話です)
ひとつは、床材と床暖房設備をセットで責任施工としている会社のもの。
床材が床暖房により万一トラブルが生じても10年間は保証してくれる所で、かれこれ13年程のお付き合いをしている会社です。
床材がこの会社の床暖房対応品に限定されがちなこと
床材が少し割高
といった点はありますが、信頼性の高いところです。
もうひとつは低温式床暖房で遠赤外線効果を謳う会社のもの。
床材を選ばず、床暖房対応ではない無垢材であっても反りやひび割れを生じさせないのが最大のメリットのものです。
ここで使う床暖パネルは、パイプの上に敷き込む均熱板や均熱テープの効果により、
・パネルの下に熱を逃がさず、上にのみ熱を出すことで低温であっても効率が良い
・床暖用パイプ廻りだけが暖まるのではなく、床面をかなり均一に暖める
ということが特徴です。
これにより、
床暖房対応の比較的高価な床材でなくても、一般的な無垢床材でも使用可能
というものです。
ところで、私は基本的には床暖房の大手メーカーさんのものを使用していません。
これには上記の2社との以下のような違いがあるためです。
(もしかしたら少し情報が古い点があるかもしれませんがご了解ください)
・温水が通る配管の径が細い
・配管の途中に継ぎ手(ジョイント)がある
・工事費(見積)が割高
特に上記の2点は、将来的に目づまりを起こす原因となりやすいと考えているもので、最大の減点要素ととらえています。
(もちろん、価格面もありますが)
つまり、性能並びにコスト面で大手メーカーのものよりも優れていること、床材選定の自由度、保証といった観点から、床暖房設備についてはその採用を決めることが可能と考えています。
つまり床暖房設備にあっては、
一般的に広く使われているメーカー品に対して
性能その他の面でグレードアップといえる仕様でも、
むしろ通常よりも安く施工することが可能なものがあります。
というお話でした。
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