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2012年6月

2012年6月21日 (木)

家づくりと物語性(古瓦の再利用)

家には豊かな物語を生み出すものになってもらいたい。

家の設計段階に始まり、住まいが完成してその住宅で過ごす長い時の中で心に刻まれる多くのストーリーが、
その住まいに関連して豊かなものであってほしいと願うものです。

住まいづくりの設計者として、自分が手がけた家にはそのような願いを込めています。

この思いの強さ、具現化ができるかどうかが、設計者の力量のバロメーターではないかとも思います。

ひと言に「物語性」といっても、その内容はさまざまでしょう。

家づくりのスタートとなる設計段階で、これに関わる設計者(私)の場合、
まずはプラン(建築計画)においてです。

玄関に入る前、入った後、リビングへの入り方、そしてその内部空間・・・
日々、建て主さんをどのように向かえ入れるか
どのような気分で過ごすことができる生活の場とするか
お客さんをどのように迎え入れるか
それらワンシーンごとにどれだけ豊かなストーリーを描くことができる場とするか・・・

それぞれの場にどのようなストーリーが描かれるようにするか

機能的、合理的にプランを組み立てることは、設計者として必要最低限の事として大事なものですが、
これにストーリー性を加えることこそが、建築家と呼ばれる人とそうでない設計者との差といえるのではないかと思います。

ところで、
現在工事が進む田端の住宅には、本格的とはいえないもののお茶室があり、
その外側には小さいながらも庭があります。

もともとの設計で、この庭の敷き砂利部と植込みとの境界には瓦を縦に埋め込むようにしていました。

現在、別の仕事で世田ヶ谷のお寺さんともお付き合いをさせて頂いているのですが、
たまたま、現在、こちらでは既設の建屋の一部を解体しています。

そこで思いついたのが、
このお寺で発生する瓦を上記のお宅の庭に使うことができないか
ということでした。

瓦は震災の復旧に伴って、未だに品不足なもの。
リサイクルが可能であれば、それに越したことはない。
この家に、ひとつのストーリーが生まれるひとつの要素にもなるだろう。
といった観点から考えたものです。

そこで、
まずは建て主さんに、このような古瓦の使用を内諾頂くべく連絡。
(「中古品を使う?」というような方ではないとは思いつつ)
第一声で「それはいいですね」との事。
次に、お寺の住職さんに。
「ご自由にどうぞ」とのお言葉。
そして、実際に手間をかけることになるそれぞれの施工会社へ。
(少量の廃材利用は高くつくもの)
(解体の業者さんにあっては手で瓦を一枚ずつ割らずに外して地上に並べてもらう必要があり、また譲り受ける施工者にはこれを引き取るダンプや人を手配してもらう必要が発生するものです)

結果、
全ての関係者に快く了解を頂くことができ、次のステップへ進むことができるようになりました。

Furugawaraweb 譲り受けることになった瓦の並べ方については現在検討中ですが、
この家の建て主さんにとっては
「実はこの瓦は世田ヶ谷の・・寺というところから譲り受けて...」
というひとつのストーリーが提供できるものとなります。

これは家ができる前の小さなひとつの物語ではありますが。

写真は次の役目を待つ古瓦です。

住宅が完成して引き渡しを終えれば、
建て主さんがこの住宅を背景としてさまざまな物語をこれから作っていくことになります。

それまでに、その物語の背景として
押しつけでなく、
むしろ控えめに、
それでいて、これからの長い時を豊かに感じてもらえるような場を提供できれば、

というのが設計者である私の役割のような気がしています。

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2012年6月20日 (水)

グッドタイミング

今日の午後は、来月にオープンハウスを企画している住宅の現場に行ってきました。

先週、足場の解体前検査を行い、数日前から足場の解体を始めていたのですが、
今日全ての足場が搬出され、その姿を現しました。

01web

今日は関東に台風が直撃との事で、その点では、今回の解体はまさにグッドタイミング。
(施工会社の責任範囲とは思っていても、強風時は足場の風対策が気になってしまうものです)

02web_2明日は、今回の台風による建物への影響がなかったかの確認。

何もないはず...とは思っていても、
万が一ということは考えておかなければなりません。

引き渡し前にさまざまな確認ができることは、
むしろラッキーな事ともいえます。

03web_3好まれざる台風ではありますが、
今回の足場の撤去と共に、建物の性能確認という点のみに関していえば、
グッドタイミング
と考えることにしようと思います。

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2012年6月18日 (月)

7月22日 田端の家/オープンハウス

北区田端の2世帯住宅
~天空光の家・ふたつのトップライトを持つ家~

Tabatasouth04web_2

このたび建て主の方のご厚意により、現在当方が設計・監理を手がけている住宅の完成見学会を開催させて頂くことに致しました。

今回ご案内する住宅は、4月末に現場見学・説明会を開催した住宅。
山手線田端駅から徒歩5分程の敷地に建つ木造、在来軸組工法による2世帯住宅です。

敷地は、道路面より一段高くなった角地という条件にあって、
「家族それぞれがゆったりと自分の時間を過ごせる家」
「機能性や耐久性の高いしっかりとした家」

が求められたものです。

防音室(音楽室兼書斎)やお茶室(客間兼用)、ビルトインガレージといった日頃あまりご覧頂く機会の少ない諸室もある家で、コンペ(OZONE家づくりサポート)により選出された設計の住宅です。

ソフト・ハード双方における
「確かな家づくり」
完成した様子をご覧頂ければと思います。

<見学会日時>
開催日:2012年7月22日(日)
時 間:10:30~18:00

(上記の日時以外をご希望の方はメールに明記ください。ご希望によっては個別でご案内させて頂きます)

Tabatayuu02web

本見学会は原則として、これから家づくりを計画する方や現在家づくりを開始している一般の方々を対象とさせて頂きます。

本見学会についての問い合わせやお申し込みについては、「住所、氏名、連絡先※」「見学目的」「参加人数」を明記の上、当事務所宛にメールにてご連絡願います。後日、当方よりメールにて所在地等、詳細のご連絡をさせて頂きます。
(※住所や氏名等をお伺いするのは、素性の不明な方などの入場を制限させて頂くセキュリティ上のものです。これにより当方より営業行為を行なうこと等はありませんので、お気軽にお申し込みください)

問合せ・申込みはこちらからお願い致します。
http://www.atelier-n.com/tabata-openhouse.html

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2012年6月14日 (木)

お茶室の天井

現在工事が進んでいる住宅のお茶室の内装工事が始まりました。

お茶室といっても、客間兼用のため、基本的な作法に基づく間取りにはしていますが、
明るい部屋にしたいという建て主さんのご希望から、
本来の杉板を主とする仕上げではなく、桧材を各所に使用するお茶室です。

写真は桧の本実板の天井材を貼り始めた様子です。

Tyashitsutenweb

手前は、上階の音対策の為の天井裏吸音材。
中央は蛭釘です。

お茶室や水屋の仕上や素材、色や細かな金物類など、
ようやく全てが決まり、あとは施工の確認だけになりました。

現場の楽しみがまた増えました。

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梅雨の合間

今日は梅雨の合間のさわやかな天気でしたね。

今日の午後は現場打合せに出かけてきました。

室内の大工さんの工事がいよいよ終盤戦。
今週末には足場が解体される住宅です。

午後の1時過ぎから打合せや現場を見て回っていたら、あっという間に6時過ぎになっていました。
まだ明るいと思っていたのですが...

すっかり日が長くなりました。

Tuyusoraweb

写真は現場から事務所への帰りがけに見かけた空。

ちぎれた雲が桜色に染まり、

綺麗な夕日でした。

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