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2014年5月

2014年5月30日 (金)

木造住宅における地盤改良の検討と検証

今回は、建物の新築にあたって必ず行う地盤調査と、
その調査結果に基づく補強の検討に関するお話です。

一般的な木造住宅であればボーリング試験までは行うことはなく、
スウェーデン式サウンディング試験という簡易な調査とすることが一般的です。
建物の重量が鉄筋コンクリート造等のように重くないことによるものです。

先月より工事を開始した住宅でも既設の建屋の解体が終わり、この試験を行いました。

試験結果は補強(地盤改良)を行う必要があるかどうか微妙な判断となるのものでした。

建て主さんに調査結果を報告し、構造設計者とも相談をして、
基本的には補強を行うこととしました。

まずは地盤調査をしてもらった会社に地盤改良工法の検討を依頼したのですが、
今回にあっては、同時に他社にも検討を依頼して、その内容を比較した上で地盤改良業者を決定することにしました。

基本的には施工が不確実になりがちな表層改良ではなく、
柱状地盤改良工法とすることを前提として検討を依頼したものです。
柱状地盤改良というのはいわゆる杭により建物の荷重を受け、建物の沈下を防止する工法です。

当初、前述の試験結果と共に設計上必要な基本条件のみを各社それぞれに提示して検討をしてもらったのですが、
計算結果をもとに出てきた検討書は、杭の長さ、太さ、数量等、2社の内容が全く異なるもので、単純に比較ができるものではありませんでした。

そこで、杭の長さ(支持層)、太さを2社とも同じ条件として、数量、配置に関する再検討を依頼したのですが、
これもまた各社異なる検討結果でした。

最終的には、私が信頼する構造設計者と協議をして、今回の地盤改良の仕様を決めると同時に業者さんの選定を行ったのですが、施工業者によって検討結果が大きく異なるというのは不思議なものでした。

異なる計算結果となった根拠に関してまではここで記すのは省略しますが、
地盤に対する安全性の検討は、保証の観点からも一般的には、このように専門業者さんに委ねるケースが多いかと思います。
おそらく工務店や住宅メーカーでも、専門業者さんから提出された検討結果であれば、そこに口出しをすることは少ないのではないでしょうか。
しかし今回のように、計算の基本となる公的な指針があるにも関わらず、会社により検討結果にかなりの差が生じるという事は望ましいことではありません。
極端に言えば、どちらかが耐力不足か、或いは過剰な仕様になるというものです。
もちろん、双方共「適正な範囲内」であれば特段に問題視をする必要はありませんし、計算上は安全率も充分に見込むものですので、危険性を伴うものではないともいえます。

毎回、地盤調査結果や地盤改良が必要なケースにあっては、その内容を確認しているのですが、今回は上記のように少し珍しいケースだった為、コストを含めて地盤改良の仕様を計算根拠とその基になる各種の想定も含めて精査をしたものです。

更地に建てる家であれば、設計段階で地盤調査を行い、充分に検討をしておくことが可能ですが、今回のように、建物の解体後でなければ正確な地盤調査ができないようなケースにおいては、検討に要する時間も限られます。

住宅の現場ではこのようなケースは珍しい事ではないと思いますが、しっかりと監理を行うケースとチェック体制が希薄な現場とでは、建物を支える地盤の強度からして性能が異なることになるのは、エンドユーザー(建て主さん)にはあまり知られていないであろうと思います。

今回の地盤改良工法の確定は、工事のスタート時点ではありますが監理の重要なポイントのひとつといえるものでした。
他の物件においても参考にして頂けるケースがあると思い、このブログに経緯を含めて記したものです。

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2014年5月26日 (月)

煎茶のお茶会

昨日は、朝からお茶会に行ってきました。
昨年手がけさせて頂いたお茶室のある家の建て主さんにご招待を頂いたもので、
抹茶ではなく煎茶のお茶会です。

煎茶に関しては、
「熱湯は絶対ダメ」
「できるだけゆっくり時間をかけて」
といったこと位しか知識がない私です。

煎茶のお茶会へ伺うのは初めての経験で、
不作法そのものの私でしたが、
お茶の先生でもある建て主さんに教わりながら、
静かなひとときを過ごし、おいしいお茶を頂いてきました。

場所は護国寺。
ここも初めて訪れる場所でした。

池袋から地下鉄有楽町線で二つ目に護国寺駅はあるのですが、
護国寺の入口前に駅からの出口があるという、
迷いようもない便利な場所でした。

予定の時間よりも少し早めに着いたので境内をひと回りした後、
最初に訪れたのは不昧軒というお茶室です。

敷地内には、宗澄庵、園成庵、艸雷庵・・・といったお茶室がありましたが、
一番趣のある佇まいのお茶室のように感じられた場所です。

仕事柄もあってたまにお茶室を拝見する機会があるのですが、
お茶室は、そこへのアプローチやスケール感、形態等、
家づくりに関わる者としては学ぶものが非常多い建築だと思っています。

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建て主さんには今回、大変貴重な機会を頂きました。

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2014年5月19日 (月)

出展(What’s 家?)

6月12日(木)から8月5日(火)に開催されるリビングデザインセンターOZONEのイベントに、
私が手がけた住宅の模型や説明用のパネルを展示することになりました。

新宿パークタワーの3階、OZONEプラザで開催される
What’s 家 ?
~教えてください 理想の住まい~

というイベントです。

登録建築家による家づくりの事例を100点規模で展示する他、
家づくり経験者、登録建築家・工務店、住宅雑誌関係者等、
さまざまな視点を通じての理想の家や考え方を紹介するイベントです。

会期も長く、内容も充実した企画のようで、
連動企画としてセミナーや相談会等もあるものです。

家づくりをお考えの方には参考になることが多いイベントだと思います。

このイベントについて、詳しくは以下のページをご覧になってみてください。
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/1679.html

以上、お知らせでした。

ちなみに↓は、私が出展予定の模型の写真です。

Tbtmodweb

この家の完成写真や内容は以下のページです。
http://www.atelier-n.com/tbt.html

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